☆父清水伸一が「趣味としてのアメリカ大統領」と「バイラバイラの魅力」を語ります。

アメリカ大統領同士、血縁関係にあるケースは意外と多い(^^)/

【このページの主な構成】 ・　初代ワシントンの家系図 ・　親子の関係 ・　祖父と孫の関係 ・　第4代マディソンと第12代テイラーは「またいとこ。第2次のいとこ」の関係 ・　第26代シオドア・ローズベルトと第32代フランクリン・ローズベルトは「第5次のいとこ」の関係　　　　　 ・　「第18代グラントは第32代フランクリン・ローズベルトの親と第4次のいとこ同士」の関係 ・　「第27代タフトは第37代ニクソンの祖母と第7次のいとこ同士」の関係 ・　「第8代バンビューレンは第26代ローズベルトの曾祖母と第3次のいとこ同士」の関係 ・　ローズベルト大統領の家系について ・　血縁関係を持つアメリカ大統領 ・　第3代ジェファソンの末裔 ・　第3代ジェファソンの黒人子孫 ・　第11代ポークとその家族 ・　第16代リンカンの子孫 ・　第28代ウィルソンの第二夫人の家系 ・　第33代トルーマンの誤解 ・　第20代ガーフィールドの曾孫と第23代ハリソンの孫が結婚 ・　第34代アイゼンハワーの孫と第37代ニクソンの令嬢が結婚

【出典】
ギャリー・ロバーツ氏編「アメリカ大統領の祖先」（１９８９年、カール・ボイヤー社発行）
ヒュー・モントゴメリーマシングバード氏編「バークのアメリカ合衆国大統領家族」（１９８１年、バークス・ピーレイジ社発行）
ウィリアム・デグレゴリオ氏著「アメリカ大統領完全本」（２００１年、バリケードブックス社発行）

◆　第46代バイデンの【母方の】家系図　
Instagram potusでアップした家系図 はこちら。

◆　初代ワシントンの家系図
『ジョージ・ワシントンのマウントバーノン　公式ガイドブック』（2016年発行）P.190とP.191。
図中引用書簡文（1792/5/2）の原典はこちら。さらに参照はこちら、こちら。
　

◆　親子の関係
［１］第２代アダムズの長男が第６代アダムズ
　
［家系図］
ジョン・アダムズ（１６９１年生。１７６１年没） ＋ スザンナ・ボイルストン　　（注）「＋」婚姻関係を表す。
　↓
第２代アダムズ　＋ ［第２代アダムズ夫人］アビゲール・スミス（１７４４年生。１８１８年没）　
　　↓　　　　　↓　　　　　　　　↓　　　　　　↓　　　　　↓
アビゲール　　第６代アダムズ　　スザンナ　　チャールズ　　トマス・ボイルストン
　　　　　　　　＋
　［第６代アダムズ夫人］ルイーザ・キャサリン・ジョンソン（１７７５年生。１８５２年没）
　　↓　　　　　　　　　　↓　　　　　↓　　　　　　　　　　　↓
ジョージ・ワシントン　　ジョン　　チャールズ・フランシス　　ルイーザ・キャサリン
　　　　　　　　　　　　　　　　（１８０７年生。１８８６年没）

［２］第４１代ブッシュの長男が第４３代ブッシュ
　
上左は父ブッシュ大統領と43歳の子ブッシュ（1989年12月22日）。上右は子ブッシュ大統領と77歳の父ブッシュ元大統領（2001年1月20日、子ブッシュ大統領就任式当日に）。「ようこそ、大統領」と子ブッシュは父を迎えた。「会えて嬉しいよ、大統領」父ブッシュは答えた。二人は終始にこやかだった。
ある大統領が父親大統領について語った本は過去なかった。子ブッシュは知人から「書くべきだ」と強く勧められ、父ブッシュについての書物を著した。

☆　父と息子　 「第41代大統領として、わたしは100パーセント大統領を支持する。もう絶対的に」 父ブッシュが発言するときは、プレジデント・クラブのルールにのっとっていた。 「アメリカの大統領には、極力、世界じゅうの支持を得てもらいたい」2002年9月、タイム誌のインタビューに答えて父ブッシュは言った。「だが、大統領がやりたいようにやるのが一番だ。孤立した道を歩むと決めたのなら、わたしはどこまでもそれを支持する」 父ブッシュと話をした人たちは、政策よりも息子の背負っている重荷のほうを心配していたと口をそろえる。2002年のクリスマス、キャンプ・デイヴィッドで父と子は、不気味に迫ってきた戦争について話し合った。その要点を息子は回想録のなかでまとめているが、結局は戦争を認めるという内容だ。 「大きな問題について、父の助言を求めるようなことはほとんどしなかった。わたしのほうが、情報量は多いし正確でもあることは父もわかっていた」 しかし、父親がたいへん苦しんでいることもこの話し合いで明らかとなった。戦争をするという結果が国民の支持を得られない、と悩んでいたのではない。2003年の2月におこなわれた世論調査では、63パーセントの国民がイラク侵攻を支持するという結果が出た。批判を無視することができずにくよくよしていたのでもない。この数字は父ブッシュには受け入れがたかっただろう。ローラ･ブッシュは義理の父にテレビを見ないほうがいいと勧め、大統領は父に心配する必要がないと言ってなだめた。にもかかわらず、父ブッシュの重荷は軽くならなかった。 「心配するのがわたしの仕事だ」3月初旬、タイム誌のヒュー・サイディに言った。 決断を下すときのプレッシャーがどれほどのものであるか、わかっている者はほとんどいない。1989年にパナマに軍を送ろうという決断を下す前夜、父ブッシュはベッドのなかで文字通り首も腕も動かすことができないほどだった。「自分が戦うのではないにしろ、緊張が高まり、兵士たちの命に対する責任の重さに押しつぶされそうになった。戦争の開始を決めるのは、最終的に委員会や将軍たちではない。ただひとりの人間の肩にかかっている-----つまり、大統領の肩に」 あまりの重圧-----大きな仕事での見返りなど足下にもおよばないほどの重圧-----に、父と子は決定を下す期限ぎりぎりまで話し合っていた。2003年3月19日、ついにブッシュ大統領は戦争の命令書にサインをして言った。 「世界の平和とイラク国民の利益と自由のために、ここに、『イランの自由作戦』を開始する命令を出す。アメリカに神のご加護を」 ブッシュ・ジュニアは危機管理室を出て階段を一段ずつ上がり、大統領執務室を抜けてサウスローンに出ると、歩きまわりながら祈りを捧げた。父親も1991年に湾岸戦争をはじめるときと同じようなことをした。庭から戻ると条約調印の間へ行き、父親に手紙を書いた。 「この気持ちをわかってもらえるのは、父しかいなかったからだ」 必要ならば武力を行使して大量破壊兵器を所有する国を滅ぼし、イラクの人たちを解放しようと決めたのは数カ月前のことでした。しかし、いざ、命令を下すとなると精神的に相当の苦痛を伴いました-----正しく舵取りをしなければならず、失われる人命がほとんどないようにと祈りました。イラクは自由の国となり、世界の安全も増すことになるでしょう。精神的な苦痛は山を越し、今は現地で秘密裏に収集している情報が届くのを待っています。大統領だったときは、さぞ苦しかったことでしょう。よくわかります。 ブッシュはテキサスにいる父親のもとにこの手紙をファックスで送った。2、3時間後、返事が届いた。最高司令官を励ますために、家族のなかでもっとも尊い名前をあげた。 手紙を拝読、心を打たれた。正しい道を歩んでいる。先ほど下した決断は、人生のなかでもっとも重く、辛い経験であったにちがいない。しかし、思いやりと強い心を持って判断を下した。イラク人、アメリカ人の無垢な命が失われることに対する懸念はもっともだ。しかし、やらなければならないことをやったにすぎない。リンカーン以来、大統領が直面してきた問題のなかでも、ことさらに厳しいものをつきつけられてしまった。といえば少しは楽になってもらえるだろうか。この重荷を勇気と高潔な志を持って担い-----世を去った妹ロビンの言葉を引用しよう。「言葉では言い表せないほど愛している」 まさにそのとおりだ。　　　　　愛をこめて、父 【出典】ナンシー・ギブズ氏・マイケル・ダフィー氏著、横山啓明氏訳「プレジデント・クラブ　元大統領だけの秘密組織」（2013（平成25）年3月10日、柏書房発行）PP.672−675

◆　祖父と孫の関係
第９代ハリソンの孫が第２３代ハリソン
［家系図］
第９代ハリソン＋アンナ・シムズ（１７７５年生、１８６４年没）　（注）「＋」婚姻関係を表す。
　↓
ジョン・スコット・ハリソン（１８０４年生、１８３１年没。第９代ハリソンの三男。連邦下院議員）
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＋［再婚］エリザベス・アーウィン（１８１０年生、１８５０年没）
第２３代ハリソン（ジョン・スコットとエリザベスの二男）
　1841年制作のハリソン家の影絵。左からジョン・スコット・ハリソン（第9代ハリソンの三男で第23代ハリソンの父親）、ベンジャミン・ハリソン（第23代）、アナ・ハリソン・テイラー（第9代ハリソンの四女）、第9代ハリソン、ジェーン・アーウイン・ハリソン（第9代ハリソンの次男の妻）【カール・アンソニー氏著「アメリカの大統領家族」（2000年、リサ・ドルー・ブックス社発行）P.30】　

◆　第４代マディソンと第１２代テイラーは「またいとこ（はとこ。第２次のいとこ）」の関係
［家系図］
ジェームズ・テーラー（１６７３年生、１７２９年没）＋マーサ・トンプソン
　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ザカリー・テイラー　　　　　　フランシス・テーラー＋アンブローズ・マディソン
　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　↓
リチャード・テイラー　　　　　ジェームズ・マディソン
　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　↓
第１２代テイラー　　　　　　　　　　第４代マディソン

［参考1］「いとこ」を「第１次のいとこ」、「またいとこ」又は「はとこ」を「第２次のいとこ」とする。以降の関係は適当な日本語がないので、「第３次のいとこ」「第４次のいとこ」「第５次のいとこ」・・・と表現する。
［参考２］アメリカ南部連合大統領のジェファソン・デービス（１８６１年２月１８日〜１８６５年５月１０日在任。下の写真）は、第１６代リンカンと同じケンタッキー州の生まれだった。第１２代テイラーの次女サラ・ノックス・テーラーと結婚したが、１８３５年、夫妻はルイジアナに旅行中、マラリアに罹患し、不幸にもサラ夫人は亡くなった。後に再婚。彼は、第１４代ピアース政権で陸軍長官を務めた経歴を持つ（１８５３年〜１８５７年）。
　ジェファソン・デービス　デービス本�@　デービス本�A

◆　第２６代シオドア・ローズベルトと第３２代フランクリン・ローズベルトは「第５次のいとこ」の関係
［家系図］
クラエス・マーテンゼン・バン・ローゼンベルト（１６５８年〜１６６０年頃没。１６５０年頃オランダから渡米）
　↓
ニコラス・ローズベルト（１６５８年生、１７４２年没）【注】＋ハイルチェ・ジャンス・クンスト
　↓　　　　　　　　　　　↓
ジャコバス　　　　　　　ジョハネス
　↓　　　　　　　　　　　↓
アイザック　　　　　　　ジャコバス
　↓　　　　　　　　　　　↓
ジェームズ　　　　　　 ジェームズ
　↓　　　　　　　　　　　↓
アイザック　　　　　　コーネリアス
　↓　　　　　　　　　　　↓
ジェームズ　　　　　　 シオドア
　↓　　　　　　　　　　　↓
フランクリン　　　　　 シオドア
　　（第３２代）　　　　　（第２６代）　　　　
【注】ニコラスは、英語社会に住んで、父「クラエス・バン・ローゼンベルト」という名に悩み、多くのオランダ家族では深く大事にされた「バン」を落とし、自らニコラス・ローズベルトと名乗り、あるいは名乗らされ始めた。ローゼンベルトが正しくどうしてローズベルトになったかはわからない。ニコラス自身がそうしたのか、彼の下手な筆跡のせい、あるいは他の人々の下手な筆跡のせいかもしれない。第３２代ローズベルトは、ハーバード大学在学中に書いた論文で初期の記録についてこう述べている。「ローズベルトの名は、家族ばかりでなく、公官署の官吏の書き間違いのために、１ダースもの異なる方法で綴られている」。変わった綴りの中には、Roosinffelt、Rosewelt、Rosewell、Raasvelt、そしてRosvelltというものがある。最後に、Rosenveltは、Roosになった。これは、通常「rose」と発音する。
【出典】アレン・チャーチル氏著「ローズベルト家　アメリカの貴族」（１９６５年、ハーパーアンドロー社発行）３０ページ

◆　「第１８代グラントは第３２代フランクリン・ローズベルトの親と第４次のいとこ同士（Grant was a forth cousin once removed of Roosevelt. ）」の関係
［家系図］
　ジョナサン・デラノ ＋ マーシー・ワーレン
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ジョナサン・デラノ・ジュニア　　　トマス・デラノ
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　↓
スザンナ・デラノ　　　　　　　　　エフレイム・デラノ
＋ノア・グラント・ジュニア 　　　　 ↓
　↓　　　　　　　　　　 　　　　 　↓
ノア・グラント３世　　　　　　　 ワーレン・デラノ
　↓　　　　　　　　　 　　　　 　　↓
ジェシ・グラント　　　　　　　　 ワーレン・デラノ・ジュニア
　↓　　　　　　　　 　　　　　　　↓
第１８代グラント　　　　　　　　サラ・デラノ＋ジェームズ・ローズベルト
　　　　　　　　　 　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　第３２代ローズベルト

◆　「第２７代タフトは第３７代ニクソンの祖母と第７次のいとこ同士（Taft was a seventh cousin twice removed of Richerd Nixon.）」の関係
［家系図］
　　　　　　　　ラルフ・ヘミングウエー
　　　　　　　　　↓　　　　　　　↓
エリザベス・ヘミングウエー　　　ジョシュア・ヘミングウエー
＋ジョン・ホゥブロック　　　　　　　↓
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
ダニエル・ホウブロック　　　　　ジョシュア・ヘミングウエー・ジュニア
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
レベッカ・ホウブロック　　　　　ジョシュア・ヘミングウエー３世
＋サミュエル・ダベンポート　　　　　↓
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
セス・ダベンポート　　　　　　　アイザック・ヘミングウエー
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
アナ・ダベンポート　　　　　　　ジェームズ・ヘミングウエー
＋ウィリアム・トーリー　　　　　　　↓
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
サミュエル・トーリー　　　　　　ジェームズ・ヘミングウエー・ジュニア
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
ルイーザ・トーリー　　　　　　　ジェーン・ヘミングウエー
＋アルフォンソ・タフト　　　　　＋オリバー・バーグ
　　↓　　　　　　　　　　　　　　　↓
第２７代タフト　　　　　　　　　アルミラ・バーグ＋フランクリン・ミルハウス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　ハンナ・ミルハウス＋フランシス・ニクソン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　第３７代ニクソン
　第27代タフト。LIFE社「合衆国の歴史」第9巻 P.94。ホワイトハウス蔵。

◆　「第８代バンビューレンは第２６代ローズベルトの曾祖母と第３次のいとこ同士（Van Buren was a third cousin three times removed to Theodore Roosevelt.）」の関係
［家系図］
　　　　　　　　　　　　　　クラス・ゲリテス・バンシャク
　　　　　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　↓
　　　　エマニュエル・バンシャク　　　　　　　　ローレンス・バンシャク
　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
コーネリアス・バンシャク　　　　　　　　　　　　ジャネティ・バンシャク＋ジョハネス・ホーズ
　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
コーネリアス・バンシャク・ジュニア　　　　　　　マリア・ホーズ＋エイブラハム・バンビューレン
　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
マリア・バンシャク　　　　　　　　　　　　　　　第８代バンビーュレン
＋ジェームズ・ローズベルト
　　　　　　↓
コーネリアス・ローズベルト
　　　　　　↓
シオドア・ローズベルト
　　　　　　↓
第２６代ローズベルト

◆　ローズベルト大統領の家系について
ローズヴェルト家は、１６４０年代にオランダからニュー・アムステルダム（ニュー・ヨークの旧称）に渡って来たクラエス・マーテンゼン・ヴァン・ローゼンヴェルトという人物からはじまった・・・クラエス・マーテンゼンは、ニコラス・ローズヴェルトという名で知られている息子があって、彼はハイルチェ・ジャンス・クンストという女と結婚した。夫婦のなかに、ジョハネス（１６８９年出生）とジャコバス（１６９２年出生）の２人の息子が生まれ、この２人から、現在のローズヴェルト家が枝葉を伸ばし、一つの枝にはシオドア、他の枝にはフランクリンが生まれた。系図研究家によれば、FDRは少なくとも１１人のアメリカの大統領［原著註、その１１人は、ワシントン、２人のアダムズ、マディスン、ヴァン・ビューレン、２人のハリソン、テイラー、グラント、TR、タフトである。］と血筋がつながっていて、クラエスは５人の大統領の直系の先祖である。ローズヴェルトは自分をオランダ人と考えることを好んでいたが、実際は、彼の一族はひじょうに広く枝葉を伸ばしたので、３世紀のあいだに、他の人種のあらゆる習慣を取り入れるようになっていた。その一例として彼の一族はスコットランドのマレイ格子縞を着用する資格を持っていた。調査の結果によれば、FDRは約３パーセントしかオランダ人の血を持っていないので、その主要な血筋はイギリスであり、その他はフランダース、ドイツ、イタリィ、フランス、スェーデンの混血である。ローズヴェルト家の男が、時がうつるにしたがい、いっそうアングロサクソンの女と結婚するようになったのは当然のことで、ジャコバスの系統では、ハーデンブロック、ホフマン、ウォルトン、アスピウォール、ハウランド、そして最後にデラノ家の名がつき、ジョハネスの系統では、ショーツ、ボガード、ヴァン・シャーク、バーンヒール、そしてバロック家の名がついた。TRはリー家の女と、次いで、キャロウ家の女と結婚した。事実、ローズヴェルト一統は、ハプスブルク家や白鼠のように、同族結婚を行った。エレナー・ローズヴェルトはシオドアの姪で教女で、ＦＤＲの第５次のいとこであっただけでなく、彼女の父エリオット（ＴＲのただ一人の弟）はフランクリンの教父であった。更にすすんでゆくと-----ＴＲの妹コリンの息子シオドア・ダグラス・ロビンスンは、フランクリンの姪の娘ヘレン・レベッカ・ローズヴェルトと結婚した。ロビンスンの子供たちとＦＤＲの子供たちは、それぞれ、第６次のいとこであると同時に、第２次のいとこであり、第１次半のいとこである。ＴＲの最初の結婚で生まれた娘アリス・ロングウァースの第２次のいとこのフィリップ・ローズヴェルトは、同じくアリスの第２次のいとこで、ジョン・ローズヴェルトの娘であるジーンと結婚した。ＦＤＲの父の最初の結婚で生まれた息子ジェイムズ・ローズヴェルト・ローズヴェルト（ロージィー）は、ヘレン・シャーマーホーン・アスターと結婚し、２人の子供が生れたが、この２人は「叔父」に当るＦＤＲより年上である・・・ローズヴェルト家は、彼の前の代までは、はなばなしい家柄ではなかった。現在、われわれは、「ローズヴェルト」が古い大家の家名であるように思っているが、実際はそうではなかった。よい家柄ではあったが、大家ではなかった・・・歴史家ジェラルド・W・ジョンスは・・・「ここに、３００年のあいだ、一貫して平凡なままであった一家がある。そのただ一つの驚くべき事実は、３００年のあいだ、彼らは誰の眼をもみはらせたことがなかったということである。彼らはすべて、上品で、相当に勤勉で、相当に才能があり、相当に富んでいた。その長い家系の中で、金満家の列に入ったものはわずかに１人か２人だが、施療院で生を終ったものもいない。率直に言って、彼らはすべて極度に興味のない人々であった。そして、第７代目に至って、１人ならず２人まで、アメリカ史上最大の傑出した人物を生んで、突然、花を咲かせたのである。」
【出典】ジョン・ガンサー氏著・清水俊二氏訳「回想のローズヴェルト」（１９６９（昭和４４）年２月２８日、早川書房発行）２０４〜２０６ページ「家系」

　

☆写真は父清水伸一所蔵のエリオット・ローズベルト氏編「F.D.R. 私信集」全４巻。ジョン・ガンサー氏の上記記述はこの私信集掲載の家系図を基にしている。
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◆　血縁関係を持つアメリカ大統領
【出典】ギャリー・ロバーツ氏編「アメリカ大統領の祖先」（１９８９年、カール・ロバーツ社発行）２６１〜２６２ページ
以下に「代数・大統領名＝血縁関係にある大統領人数（血縁先）」の順で示す。
なお、初代ワシントンと第１６代リンカンの項では、血縁関係を特記した。

１．ワシントン＝３人（クーリッジ、フランクリン・ローズベルト、ブッシュ）
【話題−１】初代ワシントンと第３０代クーリッジ、第３２代ローズベルト、第４１代ブッシュとの血縁関係・・・とはいっても、相当の遠縁（以下にそれを示す。）
●ヘンリー・スペンサー（４人の大統領の共通の祖先。１４７７年か１４７８年に没）
→ヘンリー・スペンサーの第１子＝トマス・スペンサー→（４代略）→ジョン・ワシントン（１６３４年頃生、１６７７年頃没）→ローレンス・ワシントン→オーガスティン・ワシントン→初代ワシントン
→ヘンリー・スペンサーの第２子＝ウイリアム・スペンサー→（１３代略）→ジェームズ・ローズベルト→第３２代ローズベルト
→ヘンリー・スペンサーの第３子＝サー・ジョン・スペンサー→ジェーン・スペンサー＋サー・ウイリアム・コープ
→●ウイリアム・コープの第１子サー・ジョン・コープ→（１３代略）→プレスコット・ブッシュ→第４１代ブッシュ
→●ウイリアム・コープの第２子サー・アンソニー・コープ→（１０代略）→ジョン・クーリッジ→第３１代クーリッジ

２．アダムズ＝４人（ジョン・クインジー・アダムズ、フィルモア、タフト、クーリッジ）
３．ジェファソン＝０
４．マデソン＝１人（テイラー）
５．モンロー＝０
６．アダムズ＝７人（ジョン・アダムズ、２人のハリソン、フィルモア、タフト、クーリッジ、フランクリン・ローズベルト）
７．ジャクソン＝０
８．バンビューレン＝２（シオドア・ローズベルト、フランクリン・ローズベルト）
９．ハリソン＝４人（ジョン・クインジー・アダムズ、タイラー、ベンジャミン・ハリソン、カーター）
１０．タイラー＝２人（２人のハリソン）
１１．ポーク＝０
１２．テイラー＝２人（マディソン、フランクリン・ローズベルト）
１３．フルモア＝１０人（２人のアダムズ、グラント、クリーブランド、タフト、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、フォード、ブッシュ）
１４．ピアース＝５人（ヘイズ、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、ブッシュ）
１５．ブキャナン＝０

１６．リンカン＝２人（フォード、ブッシュ）
【話題−２】第１６代リンカンと第３８代フォード、第４１代ブッシュとの血縁関係・・・とはいっても、こちらも相当の遠縁（以下にそれを示す。）
●エドワード・ギルマン（３人の大統領の共通の祖先）
→エドワード・ギルマンの第１子＝ブリジッド・ギルマン＋エドワード・リンカン→サミュエル・リンカン→モルデカイ・リンカン→モルデカイ・リンカン・ジュニア→ジョン・リンカン→エイブラハム・リンカン→トマス・リンカン→第１６代リンカン
→エドワード・ギルマンの第２子＝エドワード・ギルマン→（９代略）→ドロシー・ガードナー＋レスリー・キング（第３８代フォードの実父）→第３８代フォード
→エドワード・ギルマンの第３子＝メアリー・ギルマン→（９代略）→プレスコット・ブッシュ→第４１代ブッシュ

１７．ジョンソン＝０
１８．グラント＝６人（フィルモア、クリーブランド、クーリッジ、フランクリン・ローズベルト、フォード、ブッシュ）
１９．ヘイズ＝７人（ピアース、クリーブランド、タフト、フランクリン・ローズベルト、ニクソン、フォード、ブッシュ）
２０．ガーフィールド＝４人（タフト、フーバー、フォ−ド、ブッシュ）
２１．アーサー＝０
２２．２４．クリーブランド＝８人（フィルモア、グラント、ヘイズ、タフト、フーバー、フランクリン・ローズベルト、フォード、ブッシュ）
２３．ハリソン＝８人（ジョン・クインジー・アダムズ、ウィリアム・ハリソン、タイラー、タフト、ハーディング、クーリッジ、カーター、フォード）
２５．マッキンリー＝０
２６．ローズベルト＝３人（バンビュレン、フランクリン・ローズベルト、ブッシュ）
２７．タフト＝１４人（２人のアダムズ、フィルモア、ヘイズ、ガーフィールド、ベンジャミン・ハリソン、クリーブランド、ハーディング、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、ニクソン、フォード、ブッシュ）
２８．ウィルソン＝０
２９．ハーディング＝５人（ベンジャミン・ハリソン、タフト、ニクソン、フォード、カーター）
３０．クーリッジ＝１３人（ワシントン、２人のアダムズ、フィルモア、ピアース、グラント、ベンジャミン・ハリソン、タフト、フーバー、フランクリン・ローズベルト、ニクソン、フォード、ブッシュ）
３１．フーバー＝９人（フィルモア、ピアース、ガーフィールド、クリーブランド、タフト、クーリッジ、ニクソン、フォード、ブッシュ）
３２．ローズベルト＝１５人（ワシントン、ジョン・クインジー・アダムズ、バンビュレン、テイラー、フィルモア、ピアース、グラント、ヘイズ、クリーブランド、シオドア・ローズベルト、タフト、クーリッジ、ニクソン、フォード、ブッシュ）
３３．トルーマン＝０
３４．アイゼンハワー＝０
３５．ケネディ＝０
３６．ジョンソン＝０
３７．ニクソン＝９人（ヘイズ、タフト、ハーディング、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、フォード、ブッシュ）
３８．フォード＝１４人（フィルモア、リンカン、グラント、ヘイズ、ガーフィールド、クリーブランド、ベンジャミン・ハリソン、タフト、ハーディング、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、ニクソン、ブッシュ）
３９．カーター＝４人（２人のハリソン、ハーディング、ニクソン）
４０．レーガン＝０
４１．ブッシュ＝１５人（ワシントン、フィルモア、ピアース、リンカン、グラント、ヘイズ、ガーフィールド、クリーブランド、シオドア・ローズベルト、タフト、クーリッジ、フーバー、フランクリン・ローズベルト、ニクソン、フォード）

◆　第１７代、第３６代の両ジョンソン
同姓のこの２人の大統領は血縁関係にはない。

◆　第４４代オバマは、９人の大統領と血縁関係
２００９年２月１６日のインタビューによると、家系図研究家ギャリー・ロバーツ氏は、第４４代オバマと血縁関係のあるの９人とは、第４代マディソン、第９代ハリソン、第２３代ハリソン、第３３代トルーマン、第３６代ジョンソン、第３８代フォード、第３９代カーター、第４１代ブッシュ、第４３代ブッシュである、と指摘した。
なお、第９代、第２３代の両ハリソンとは、「十中八九」関係がある、としている。
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　第3代ジェファソンの「エッジヒル肖像画」。画家ギルバート・スチュアートが1805年6月7日の少し前の時期にワシントンで描いた。
◆　第３代ジェファソンの末裔
［１］ジェファソンの長女マーサ・ジェファソン（１７７２年９月２７日生、１８３６年１０月１０日没）とその夫トマス・マン・ランドルフ（１７６８年５月１７日生、１８２８年６月２０日没）の子供（１．から１２．まで。名前の後のかっこ内の数字は、左が１８２６年までにもうけた子供の人数、右が１８２６年以降にもうけた子供の人数）
１．アン・キャリー（４人・０人）
２．トマス・ジェファソン（７人・６人）
３．エレン・ウエルズ［夭折］
４．エレン・ウエルズ（１人・５人）
５．コーネリア・ジェファソン［未婚］
６．バージニア・ジェファソン（１人・２人）
７．メアリ・ジェファソン［未婚］
８．ジェームズ・ジェファソン［未婚］
９．ベンジャミン・フランクリン（０人・３人）
１０．メリウエザー・ルイス（０人・１人）
１１．セプティミア・アン（０人・５人）
１２．ジョージ・ウイス［子供なし］
［２］ジェファソンの二女マリア・ジェファソン（１７７８年８月１日生、１８０４年４月１７日没）とその夫ジョン・ウエイルズ・エップス（１７７３年４月７日生、１８２３年９月１５日没）との子供（１３．から１５．まで。名前の後のかっこ内の数字は、左が１８２６年までにもうけた子供の人数、右が１８２６年以降にもうけた子供の人数）
１３．［夭折］
１４．フランシス（２人・１１人＝初婚で４人、再婚で７人）
１５．マリア［夭折］
【出典】デューマス・マローン教授著「ジェファソンとその時代　モンティセロの聖人」（１９８１年、リトル・ブラウン社発行）巻末付録�T「トマス・ジェファソンの末裔」
［参考］第３代ジェファソン夫妻には、娘マーサ・ジェファソン嬢（１７７２年生、１８３６年没）を通して１１人の孫、３５人のひ孫がおり、現代では２，０００人を超える子孫がいる。

◆　第３代ジェファソンの黒人子孫
ジェファソンには彼が所有する女性黒人奴隷サリー・ヘミングス嬢との間に私生児がいるとの主張は、ジェファソンが大統領就任後の１８０２年に初めてなされた。ジェファソンは何の反応も示さなかったという。ちなみに、サリー嬢は、ジェファソン夫人（１７４８年生、ジェファソン３９歳の１７８２年没）の父親ジョン・ウエルズ氏とその女性黒人奴隷エリザベス・ヘミングス嬢との間に生まれた私生児であり、したがって、サリー嬢とジェファソン夫人は、異母姉妹の関係となる。
１８７３年、一人の若者が新聞記者に自分の父親はジェファソンだと打ち明けた。しかし、１年もしないうちに反論が起こった。
１９４８年から１９８１年にかけて６巻もののジェファソン伝を書いた高名な歴史家デューマス・マローン氏は「猥談」として無視した。
１９７４年、女性作家のフォーン・ブロディ氏が「トマス・ジェファソン　個人的歴史」で本件を取り上げ議論が再燃した。
１９９８年、英国の自然科学雑誌「ネイチァー」が、ジェファソンの子孫の協力を得て、ＤＮＡ型鑑定を実施したところ、ジェファソンは女性黒人奴隷サリー嬢との間に少なくとも１人の子供をもうけたとの事実を裏付けたと報じるに至った。それによると、ヒトの男性だけに存在し男系によって遺伝する「Ｙ染色体」という遺伝子があり、ジェファソン家においては、次のように受け継がれたとのことである。以下この「Ｙ染色体」を《Ｙ》と略記する。

☆第３代ジェファソンの祖父トマス・ジェファソン には２人の息子がいた＝�@と�Gへ

�@第３代ジェファソンの父ピーター・ジェファソン（１７０７年生、１７５７没）《Ｙ》
　　↓
�A第３代トマス・ジェファソン（１７４３年生、１８２６年没）《Ｙ》
＋サリー・ヘミングス（１７７２年生、１８３６年没）
　　↓
�Bエストン（サリー・ヘミングスの一番下の息子。１８０８年生、１８５２年没）《Ｙ》
　　↓
�Cビバリー・ジェファソン（エストンの末っ子。１８３８年生、１９０８年没）《Ｙ》
　　↓
�Dカール・スミス・ジェファソン（ビバリーの息子。１８７６年生、１９４１年没）《Ｙ》
　　↓
�Eウィリアム・マジル・ジェファソン（カールの３人の息子の一人。１９０７年生、１９５６年没）《Ｙ》
　　↓
�Fジョン・ウィークス・ジェファソン（ウィリアムの息子。１９４６年生）《Ｙ》

�G第３代ジェファソンの父ピーターの兄（第３代ジェファソンの伯父）フィールド・ジェファソン（１７０２年生、１７６５年没）《Ｙ》・・・・・（中略）・・・・・→�Hフィールド・ジェファソンの子孫の一人（男性）《Ｙ》

［結論］
�Fジョン・ウィークス・ジェファソンのＹ染色体《Ｙ》と�Hフィールド・ジェファソンの子孫男性のＹ染色体《Ｙ》が一致した。
したがって、第３代ジェファソンはサリ−嬢との間に少なくとも一人の子供をもうけたことが実証されたのである。
［参考文献］シャノン・ラニア氏インタビュー＆文・ジェーン・フェルドマン氏写真、千葉茂樹氏訳「大統領ジェファソンの子どもたち」（２００４（平成１６）年４月３０日、晶文社発行）
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◆　第11代ポークとその家族
【父】サミュエル・ポーク（1772年生-1827年没。彼の最も有名な息子が連邦下院議員のとき逝去）
【母】ジェーン・ノックス・ポーク（1776-1852。彼女の最も有名な息子より3年長生きする。）
※　サミュエル・ポークとジェーン・ポーク夫妻には第11代大統領となったジェームズを筆頭に10人の子供がいる。息子の多くは若死にしている。
［長男］ジェームズ・ノックス・ポーク（1795-1849。第11代大統領）
　　（夫人）サラ・チルドレス（6人兄弟の3番目）。ポーク夫妻には子供はなかった。。サラ夫人の姉妹＝スーザン・チルドレス・ラッカーには夫ジョン・Ｗ・ラッカーとの間にジョアンナ・ラッカーとサラ・ポーク・ラッカーという子供がいる。ジョアンナ・ラッカーは1845年10月から1847年6月までホワイトハウスに同居した。サラ夫人の兄弟＝アンダーソン・チルドレスはポーク大統領の学友。他にジョン・チルドレスがいる。
［長女］ジェーン・マリア・ポーク（1798−1876）
　　（夫）ジェームズ・ウォーカー（1813年結婚。6男5女をもうける）
　　　　（長男）サミュエル・P・ウォーカー（1814−1870。法律家・実業家）
　　　　（二男）Ｊ（ジョゼフ）・ノックス・ウォーカー（1818−1863。ポーク大統領の私設秘書。オーガスタ夫人との間に4人の子供がおり、うち2人はホワイトハウスで誕生）
　　　　（四男）ルシアス・マーシャル・ウォーカー（1850年に陸軍学校を卒業し1852年まで従軍。後に南部連合軍に従軍）
　　　　（女性）ジェーン・クラリッサ・ウォーカー・バーネット（1820−1899。夫はケンタッキー州生まれの法律家アイザック・N・バーネット（c.1817−1884））
　　　　（女性）サラ・ナオミ・ウォーカー
［二女］リンダ・エライザ・ポーク（1800−1864）
［二男］フランクリン・エゼキエル・ポーク（1802−1831）
［三男］マーシャル・テイト・ポーク（1805−1831。ローラ・テレサ夫人との間にマーシャル・テイト・ポーク・ジュニア（1831−1884）がいる。）
［四男］ジョン・リー・ポーク（1807−1831）
［三女］ナオミ・テイト・ポーク（1809−1836）
［四女］オフェリア・クラリッサ・ポーク（1812−1851。夫のジョン・B・ヘイズはポーク大統領付の医師を務めた。2人の女子をもうけた。うち1人はバージニア・ヘイズで、ホワイトハウスに同居した。）
［五男］ウィリアム・ホーキンズ・ポーク（1815−1862。テネシー州議会議員、、両シチリア王国代理公使、第3テネシー竜騎兵少佐、連邦下院議員。ウィリアムは三度結婚した。夫人�@＝ベリンダ・ディキンソン、夫人�Aメアリー・L・コース、夫人�B＝ルーシー・ユージェニア・ウィリアムズ）
［六男］サミュエル・ウィルソン・ポーク（1817−1839）

　　　　　　　　　

◆　第１６代リンカンの子孫
　左から第29代ハーディング（56歳）、第16代リンカンの長男ロバート（79歳）、ジョー・キャノン元下院議長（86歳）。1922年5月30日、リンカン記念堂の除幕式にて。

「リンカーン直系の血筋がとだえる　ひ孫の老人死去」【サルーダ（米バージニア州）２５日＝ＵＰＩ共同】
米国１６代大統領エイブラハム・リンカーン直系のただ一人の子孫だった老人がクリスマスイブの２４日、長期療養の末、バージニア州サルーダの老人ホームで静かに息を引き取った。
死んだのはリンカーンのひ孫ロバート・トッド・リンカーン・ベックウィスさん。８１歳。遺族はマーガレット夫人だけ。ロバートさんの母親ジェシー・リンカーン・ベックウィスさんはリンカーン大統領の孫の一人だった。
ロバートさんは、顧問弁護士によると、生涯自分で稼ぐことがなく、専らリンカーン家の遺産で幸せに暮らしていたという。住まいは同州ハートフィールドのウッドストックという名の農園だったが、数年前から老人ホームに入っていた。
【出典】１９８５（平成６０）年１２月２６日（木）付け讀賣新聞

［家系図］　家系図はこちら　
第１６代リンカン（１８０９年生、１８６５年没）
《１８４２年結婚》メアリ・トッド（１８１８年生、１８８２年没）
【リンカンの長男】ロバート・トッド（１８４３年生、１９２６年没）《１９６８年結婚》メアリ・ハーラン
　　【リンカンの孫＝ロバートの長女】メアリ〈マミー〉（１８６９年生、１９３８年没）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《１８９１年結婚》チャールズ・イッサム
　　　　　【リンカンのひ孫＝メアリの一人息子】リンカン・イッサム（１８９２年生、１９７１年没）
　　【リンカンの孫＝ロバートの長男】エイブラハム２世〈ジャック〉（１８７３年生、１８９０年没）
　　【リンカンの孫＝ロバートの二女】ジェシー・ハーラン（１８７５年生、１９４８年没）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《１８９７年結婚》ウォレン・ベックウィス
　　　　　【リンカンのひ孫＝ジェシーの長女】メアリ・リンカン〈ペギー〉・ベックウィス（１８９８年生、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１９７５年没）
　　　　　【リンカンのひ孫＝ジェシーの長男】ロバート・トッド・リンカン・ベックウィス（１９０４年生、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１９８５年没）
【リンカンの二男】エドワード・ベイカー〈エディー〉（１９４６年生、１８５０年没）
【リンカンの三男】ウィリアム・ウォレス〈ウィリー〉（１８５０年生、１８６２年没）
【リンカンの四男】トマス〈タッド〉（１８５３年生、１８７１年没）
【出典】マーク・ニーリー氏・ハロルド・ホルツァ氏共著「リンカン家のアルバム」（２００６年、南イリノイ大学出版会発行）xxvi〜xxvii

◆　第２８代ウィルソンの第二夫人の家系
【出典】ギャリー・ロバーツ氏編「アメリカ大統領の祖先」（１９８９年、カール・ボイヤー社発行）２６６ページ
第２８代ウィルソンの再婚相手イーディス・ボーリング夫人の祖先はポカホンタスである。
　第28代ウィルソンとイーディス夫人
［家系図］
ポーハタン（１６１８年没）
　↓
ポカホンタス（１６１７年没）＋ジョン・ロルフ
　↓
トマス・ロルフ
　↓
ジェーン・ロルフ＋ロバート・ボーリング（１６４６年生、１７０９年没）
　↓
ジョン・ボーリング〔ポカホンタスのアメリカ人ただ一人のひ孫〕＋メアリー・ケニオン
　↓
ジョン・ボーリング・ジュニア
　↓
ジョン・ボーリング３世
〔バージニア植民地議会議員〕＋メアリー・ジェファソン〔第３代ジェファソンのすぐ上の姉〕
　↓
アーチボルド・ボーリング
　↓
アーチボルド・ボーリング・ジュニア
　↓
ウィリアム・ボーリング
　↓
イーディス・ボーリング夫人（１８９６年、首都ワシントンの宝石商ノーマン・ガルト氏と結婚。同氏は１９０８年没）＋第２８代ウィルソン（１９１５年１２月１８日、首都ワシントンで再婚。その時、ウィルソンは５８歳、イーディス夫人は４３歳だった。なお、最初の妻エレン夫人は２５歳のときウィルソンと結婚、３女をもうけたが１９１４年、５４歳で死亡した。）
［参考］イーディス夫人は１９６１年１月、ケネディ大統領の就任式に参列したが、同年１２月２８日（この日はウィルソンの１０５回目の誕生日に当たっていたが）に亡くなった。彼女はワシントン大聖堂で夫のウィルソン大統領とともに永久の眠りについている。イーディス・ウィルソン夫人著「ウイルソン夫人の回想」の家系図はこちら。
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◆　第33代トルーマンの誤解
第33代トルーマンは、ある友人に宛てた手紙の中で、第10代タイラーの話題に触れ、姻戚関係をこう記している。
「私の曾祖母はタイラーの第１次のいとこです。タイラーの父親の兄弟の一人がケンタッキーに移住したが、私の曾祖母は彼の娘だった・・・」
【出典】ウィリアム・ヒルマン氏著「ハリー・S・トルーマン　自らを語る」（1984年、ボナンザブックス社発行）P.39
【異説】
�@デイビッド・マッカラー氏はその著書「トルーマン」（1992年、サイモン・アンド・シャスター社発行。P355-356）の中で次のように述べこの血縁関係を否定した。
「トルーマンは、大統領の死によって大統領職を引き継いだ７番目の副大統領だった。現職大統領の死によって大統領となった最初の副大統領はバージニア州出身の第10代タイラーだった。トルーマンは、トルーマンの曾祖母ナンシー・タイラー・ホームズを通じてその第10代タイラーと血縁関係があると誤って信じていた」
�A同様に、アメリカ大統領の家系図専門家ギャリー・ロバーツ氏はその著書「アメリカ大統領の祖先」（1989年、カール・ボイヤー社発行）のなかで、第33代トルーマンと血縁家系にある大統領はゼロであると総括している（P.261-262）。

◆　第２０代ガーフィールドの曾孫と第２３代ハリソンの孫が結婚
【出典】ヒュー・モントゴメリーマシングバード氏編「バーク氏のアメリカ合衆国大統領家族」（１９８１年。バークス・ピーレッジ社発行）３４６ページ、３８７ページ
[家系図]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第９代ハリソン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
第２０代ガーフィールド　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ジョン・スコット・ハリソン
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ジェームズ・ルドルフ・ガーフィールド（第２６代ローズベルト・　　　　第２３代ハリソン［１８９６年再婚］
＋ヘレン・ネウェル　　　　　　第２７代タフト政権下で内務長官）　　　＋メアリ・スコット
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ネウェル・ガーフィールド＋メアリ・ウヤット　　　　　　　　　エリザベス・ハリソン＋ジェームズ・ウォーカー
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ネウェル・ガーフィールド・ジュニア［１９６１年再婚］　＋　（メアリ）ジェーン・ハリソン　（１９２９年生）
（１９２３年生）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　エリザベス・ネウェル・ガーフィールド（１９６２年生）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※エリザベスは、３人の大統領の血をひいていることになる。

◆　第３４代アイゼンハワーの孫と第３７代ニクソンの令嬢が結婚
[家系図]
第３４代アイゼンハワー
　　　　　↓
ジョン・アイゼンハワー（１９２２年生、２０１３年没）　第３７代ニクソン
　　　　　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
ドワイト・デイビッド・アイゼンハワー２世　＋　ジュリー・ニクソン・・・１９６８年１２月ニューヨーク市で結婚
（１９４８年生）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（１９４８年生。ニクソンの次女）
　　　　　↓
長女＝ジェニー（１９７８年生。女優）。長男＝アレグザンダー（１９８０年生）。次女＝メラニー（１９８４年生）
長女ジェニー・アイゼンハワーはアンソニー・チェスロック氏（１９７７年生）と結婚
　１９５７年１月２１日月曜日、第３４代アイゼンハワーの第二次就任式のパレード会場で顔を会わせた大統領と副大統領の家族。前列左から大統領の孫のバーバラ・アン、ドワイト・デイビッド、ニクソン副大統領の令嬢のジュリー、パトリシア。１１年後、ドワイト・アイゼンハワーとジュリー・ニクソンは結婚する。

【参考�@】ブッシュ一家の先祖　スウェーデン人＝2006（H18）年4月4日付け産経新聞。ストックホルム　　　 【参考�A】オバマ大統領、祖先の村訪問＝2011（H23）年5月24日付け産経新聞。ロンドン＝木村正人氏 【参考�B】「トランプ一族の村」脚光＝2017（H29）年1月20日付け讀賣新聞。カルシュタットで井口馨氏